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ミステリの祭典

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レオノーラの卵

作家 日高トモキチ
出版日2021年05月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 糸色女少
(2022/01/11 22:03登録)
ある女が生んだ卵から生まれるのが男か女かを予想する賭けで始まる表題作は、奇想と奇抜なロジックが惜しげもなく投入される。筋よりも思考の跳躍を楽しむべき作品で、無理を承知でその魅力を例えると「笑えるボルヘス」と言ったところか。
「旅人と砂の船が寄る波止場」など冒険要素が濃い作品もある。かつての活気を失った港町で、乗船中の町の有力者たちが突然姿を消す怪事件が発生したが、船は無人のままで今も操業を続けているという。果たして事件の真相は?
また「ガヴィアル博士の喪失」では、小学生の男子が語るお話と現実が融合し、探偵や怪しい博士や、ピーター・パンが登場する型破りなドラマへとなだれ込んでいく。いずれの作品も笑いと驚愕に満ち、郷愁も誘う。

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