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ミステリの祭典

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幽霊はお見通し
ジェフリーズ夫人シリーズ

作家 エミリー・ブライトウェル
出版日2016年05月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 nukkam
(2022/01/09 22:11登録)
(ネタバレなしです) 1993年発表のジェフリーズ夫人シリーズ第3作の本格派推理小説です。作中時代は1887年1月。シリーズ前作の「消えたメイドと空家の死体」(1993年)が失踪事件に身元不明の死体とミステリーとしての展開が遅かったのとは対照的に本書はあっという間に殺人事件が起こります。ウィザースプーン警部補は強盗殺人と判断しますがジェフリーズ夫人たちは偽装強盗と疑います。ベッツィ、スミス、グッジ夫人、ウィギンズたちいつもの使用人メンバーだけでなく富豪未亡人のルティと彼女の執事ハチェットまで捜査に参加して謎解き議論が盛り上がります。第9章でジェフリーズ夫人が(当時の)社会問題について講義したい気持ちを抑えて謎解きに集中しているところも好ましく映ります(第7章では死体泥棒について蘊蓄を披露してますが)。ところで過去のシリーズ2作品を読んだ時にはこのシリーズは結末が次作の冒頭へとつながる趣向があるように思いましたが、本書の締め括りはそうではないようです。でもこの締め括り、ウイットとユーモアに溢れていてくすっと笑いたくなります。

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