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ミステリの祭典

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毒 poison

作家 深谷忠記
出版日2006年08月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 パメル
(2021/12/28 08:14登録)
東京郊外にある病院の脳神経外科病棟で、入院患者が殺された。死因は筋弛緩剤の投与。事件直前、院内で同じ薬のアンプルが盗まれていた。殺されたのは、妻には暴力を振るい、看護師にはわいせつ行為を働き、他の患者には暴言を吐くという問題人物で、周囲の誰にも殺害の動機はあった。事件を調べ始めた看護師の柳麻衣子がたどりついた真実とは。
物語の中に、さまざまなかたちで毒薬が登場し、病院内で起きた殺人事件と直接的、間接的に絡み合う。難解なミステリを解くだけでなく、テーマを持って読者に問いかけるのが作者の魅力の一つでしょう。前作「審判」では、幼女誘拐殺人犯として有罪判決を受けた男を通して、「親子とは何か、罪とは何か」を鋭く読者に問いかけた。本作では「史上最強の毒とは何か」を問う。事件の裏に隠された真相が解明された時、注目すべき答えに辿り着くでしょう。予想を裏切るストーリー展開とロジカルな推理、そして最終局面では大きなサプライズが待っている。

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