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ミステリの祭典

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裏切りの果実

作家 山田正紀
出版日1983年03月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 虫暮部
(2021/12/26 11:02登録)
 それにしても暑い。そして疲れて、空っぽ。返還前夜の沖縄の空気がこれでもかとばかりにリアルに描かれている。いや実物知らんけど、リアルな気が、する。現金輸送車は宿命的に狙われる。
 結末近くで明かされる伊波名の意外な小賢しさと、それによって露わになる志郎の空虚さ(とは大袈裟か)が印象的。ドストエフスキーを持ち出したりして、実はインテリ? 理想に敗れた活動家あがり? “刑務所” ってそういうことか?

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