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ミステリの祭典

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超老伝 カポエラをする人

作家 中島らも
出版日1990年09月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 メルカトル
(2021/12/19 23:26登録)
わしが菅原法斎じゃ。かれこれ十六年前に発狂してから、この道ひとすじでキメておる。趣味はカポエラじゃ。今のところまだ負けたことはない。なにせ珍しい格闘技なので誰もやっとらんのだよ。こんど、うちに住み込んでおる世界一の大男ミゲールにかわって「格闘技世界一決定戦」に出場することにしたんで、せいぜい大暴れしようと思っとる。待っとれよ、宿敵ダラ・シン。―類稀なる傑作瘋癲老人奮戦記。
『BOOK』データベースより。

楽しい、面白い、笑える、痛快、為になる小説を読みたい人にお薦め。菅原法斎78歳はブラジル発祥の格闘技カポエラの達人で、自ら瘋癲と名乗る老人です。しかし、読めば分かりますが、作中にあるような○気では全然なく、普通の矍鑠とした爺さんで、やたら強くなかなかの論客です。ただ、時々変な言葉を口走ったり何か勘違いしているところがあるくらいですよ。
物語はこの老人を打ちのめしてやろうとする、様々な敵と対決していくものです。もっと派手なバトル系の話かと思っていたら、色々趣向を変えて誰でも説得してしまう相手やオカルト詐欺親父らとの対戦を繰り広げます。

そして最強の敵プロレスラー、タイガー・バーム・シンの長兄で身長2メートル越えのカラリパヤットの達人が現れ、その後格闘技世界一決定戦が開催されることに。果たして歴戦の勇者達が居並ぶ戦いで法斎を師事するミーゲルはシンに勝つことが出来るのか。
結末は書きませんが、個人的には非常に微妙でしたね。ここでもう少しカタルシスが得られれば、8点でも良かったかなと思う位の素晴らしい作品でした。流石らも、こんなんも書いていたのね。

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