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ミステリの祭典

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わるいやつら

作家 松本清張
出版日1961年01月
平均点8.00点
書評数1人

No.1 8点 斎藤警部
(2015/02/17 12:35登録)
文章の手触りは小粋な短編の様。その調子で二巻分延々と続くのだが話の動きが機敏で全くだれるところ無し。短いインターバルでちょっとずつ違和感や謎を残しながら進む技倆が見事。徐々に主人公の心が狂気じみ、頭が愚かになって行く描写が怖い。「わるいやつら」と言っても決して社会悪や巨悪ではなく、そこそこ金持ちとは言えむしろミミっちい悪党(ワル)どものお話なのだが、それでも大変に迫力のある物語を著者は構築している。

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