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ミステリの祭典

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奈落で踊れ

作家 月村了衛
出版日2020年06月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 HORNET
(2021/10/30 17:24登録)
 1996冬、接待汚職「ノーパンすき焼きスキャンダル」が発覚した大蔵省は大揺れに揺れていた。接待を受けていた88年入省組は処分を逃れるために、同期で『大蔵省始まって以来の変人』の異名を取る文書課課長補佐の香良洲圭一に協力を要請する。
 香良洲は元妻で与党・社倫党政治家秘書の花輪理代子から、政財官界の顧客リストの存在を告げられる。リストを探すために、香良洲はフリーライターの神庭絵里に調査を依頼、絵里は暴力団・征心会若頭の薄田に接近するが……。

 実際の「大蔵省ノーパンしゃぶしゃぶスキャンダル」をモデルに、官僚たちの生き残り競争、政界闘争、組織化での暗躍が描かれる。突き抜けた香良洲のキャラクターは小気味よく、暴力団組織も絡んだ裏のかきあいも面白い。
 取り上げた題材、目のつけどころがよかった。

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