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ミステリの祭典

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オルレアンの魔女

作家 稲羽白菟
出版日2021年08月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点
(2022/02/06 15:09登録)
日本の古典芸能に対する造詣の深い作者ですが、今回は意外にも舞台をフランスにして、日本人ソプラノ歌手を主役に据えた作品になっています。ただ、オペラなど西洋古典芸能に対する蘊蓄はありません。しかし前作に対するコメントでは横溝正史の世界を連想させると書きましたが、その点は本作でも共通し、作中では「ハリウッドのB級ホラーみたいな」と形容される、不気味な仮面と衣装の人物が登場したり火刑殺人が起こったりと、はったりのきいた事件が展開されます。
犯人を特定する情報はあらかじめ読者に提示されず、パズラーとは言い難い気もしますが、ラストで明かされるプロローグの意味には、感心しました。
登場人物の一人、フランスを代表する女優は、名前からしても明らかに実在の大女優がモデルですが、その人、本名はオルレアンならぬドルレアックなんですよね。話に絡めてくるかと期待していたら、何も言及はありませんでした。

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