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ミステリの祭典

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くるぐる使い

作家 大槻ケンヂ
出版日1994年11月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 メルカトル
(2021/10/15 23:00登録)
異星人にさらわれたと少女は主張する「キラキラと輝くもの」、超能力少女の哀しい恋物語を描き、第25回星雲賞を受賞した「くるぐる使い」、少女に憑いた悪霊とオール・ジャンル・エクソシストが闘う「憑かれたな」、ひとり自分の世界に閉じこもった少年が、毎日、鉛筆の先を尖らせてくらす「春陽綺談」、いじめられっ子が一世一代の人生の大逆転を図る「のの子の復讐ジグジグ」―青春の残酷と、非日常の彼方に見える現代のリアルを描く5短篇を収録する。
『BOOK』データベースより。

なぜか初出がSF雑誌というホラー短編集。どう考えてもホラーでしょう、一歩譲ってファンタジーか。Amazonで絶賛されているのも納得の出来です。どれも面白くお薦めですが、特に表題作は残酷で切なく名作と言っても過言ではないと思います。本作に関しては私はこの人の文章が好きです、殊に人物のちょっとした仕草や細かいディテールの描き方は、下手なプロより上手いですよ。

『憑かれたな』について少しだけ書くと、これは完全な『エクソシスト』のパロディというか、パクリです。壮大なネタバレをしていますので、『エクソシスト』未読或いは未見の方は要注意。それでも一応オリジナリティも持った作品ですので、評価は高いです。
どの短編もオチが確りしており、決して後味は良くないですが、読後にどこか腑に落ちるというか、そう云った何かが心に残るのはそれぞれのクオリティが高い故だと思います。
巻末に糸井重里との対談が収録されていて、大槻教授や織田無道とか出てきて懐かしいなと思ったら、単行本の初版が1994年11月30日でした。結構昔に書かれた作品だったんですね。しかしこの対談も徒然なるままの取り止めのない内容ですが、楽しかったですね。

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