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ミステリの祭典

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溝の中の月

作家 デイヴィッド・グーディス
出版日2024年01月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点
(2021/10/04 23:04登録)
日本では1987年に公開されたジャン=ジャック・ベネックス監督のフランス映画『溝の中の月』の原作です。映画は幻惑的な映像美が高く評価されたものの、説明不足、わけがわからないという批判も多かった作品で、実際、だからこそ原作を読んでみたいと思っていたのです。
驚いたことに、映画は原作にほぼ忠実でした。原作でも最後近くなるまでは、中心テーマがよくわかりません。裏町に住むウィリアム・ケリガン(映画ではジェラール・デルマス)の妹をレイプして自殺に追い込んだのは誰かという謎は冒頭からあるのですが、そこにアップタウンの美女ロレッタ(映画も同名)とその兄が登場することにより、妙な展開になってきます。
問題なのはラストです。原作では、映画と違ってケリガンのある種悟りと決意が、ロレッタの兄のエピソードと絡めて明確に示されるのがオチになっていて、ちょっと感動させられたのでした。

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