home

ミステリの祭典

login
木曜殺人クラブ

作家 リチャード・オスマン
出版日2021年09月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 nukkam
(2021/10/02 05:27登録)
(ネタバレなしです) テレビの司会者などで有名な英国のリチャード・オスマン(1970年生まれ)が2020年に発表したデビュー作の本格派推理小説です。タイトルからアガサ・クリスティーの「火曜クラブ」(1932年)を連想する人も多いようですがあちらは短編集、こちらは長編なので読むとまるで違うと感じると思います。謎解きが趣味の老人たちが殺人事件の謎解きに挑戦するというプロットはむしろ米国のコリン・ホルト・ソーヤーの「海の上のカムデン」シリーズの方が親和性あるかも。もっともエネルギッシュに突き進むソーヤーと違ってこちらは実にまったりした進行です。しかも場面の切り替えが多すぎて(100章を超すのです)話の流れに私の頭はついていけず、何度もこの人誰だっけと登場人物リストを確認する羽目になってますますページをめくるスピードが上がりません(笑)。後半になって様々な人間ドラマが浮かび上がり、時に哀愁を漂わせたりしているところが英国でミリオンセラーになった理由の一つかなと思いますが、理解レベルの低い私には謎解きの面白さが焦点ぼけになってしまったように感じました。

1レコード表示中です 書評