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ミステリの祭典

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にわか大根
猿若町捕物帳

作家 近藤史恵
出版日2006年03月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点
(2021/09/21 10:06登録)
同心、玉島千蔭が事件の謎を解く、猿若町捕物帳シリーズ第3弾。
本書は3中編の連作モノ。

三人の遊女が死んだ「吉原雀」、とある役者が突然芝居下手になった「にわか大根」、元陰間役者が殺害された「片陰」。
事件は著者の別シリーズ、「ビストロ・パ・マル」シリーズのような日常の謎ではなく、みな死が絡んでいてけっこう重い。
でも、ビストロシリーズのようにゆったり、ほんわかとした雰囲気はある。江戸情緒と、堅物な主人公やその年下の義理の母など、個性豊かな登場人物によるものなのだろう。
ただ、本格ミステリーとしては、伏線はあるも、みなあっけなさ感がある。

本3作には、作品ごとの謎解きだけではなく、千蔭と彼を取り巻く常連の人物たちに関する、全編に通じるサブストーリーが織り込まれていて、そこも楽しめるところだ。じつは第1作めでは、それを理解できず、戸惑ってしまった。

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