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ミステリの祭典

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生存する幽霊
夜明日出夫シリーズ

作家 笹沢左保
出版日2000年07月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 nukkam
(2024/01/16 23:56登録)
(ネタバレなしです) 1999年から2000年にかけて雑誌連載されて2000年に単行本化された夜明日出夫シリーズ第7作となる本格派推理小説です。本書での夜明は39歳、「昼下がり」(1991年)で登場した母親と死別し実家を処分してマンションで1人暮らししています。同じマンションに住む女性といい関係に発展する可能性が示唆されていますが、笹沢左保(1930-2002)の死去で本書がシリーズ最終作となってしまいました。群馬の温泉地まで老夫婦を送ることになった夜明はタクシー道中で孫娘の志くらが買ったばかりの新車に奇妙ないたずらされたことを聞かされ、その翌日志くらが殺されたことを知ることになります。元刑事である夜明を慕う2人の若手刑事の捜査に協力することになって、捜査の前面に立たないようにしつつもタイプの異なる刑事たちに公平な立場であることを気配りながらアドバイスを与えていく場面が読ませどころです。犯人にたどりつく捜査と推理よりも、逮捕後に明かされる秘密とタイトルの意味の方が印象に残った作品です。

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