デウス・マシーン |
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作家 | ピエール・ウーレット |
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出版日 | 1994年11月 |
平均点 | 5.00点 |
書評数 | 1人 |
No.1 | 5点 | 糸色女少 | |
(2021/09/16 22:51登録) バイオ・テクノロジーとコンピューターの過度の進化の恐怖を描いている。描かれている未来の姿は、作者の目指すテクノ・スリラーというよりも、SFを強く感じさせる。作者はSFの創造力よりも現実の方が進んでいるということを、本書において示そうとしているように思える。 欠点を挙げるとすると、本書の半分ほどがコンピューターとバイオ・テクノロジーの説明で埋められているため、ストーリーの流れが切れてしまっているところ。また、マウス・ボールと名付けられたコンピューターの中に生まれた知性が、安易に擬人化されすぎている。しかし、そんな欠点に目をつぶってもマウスボールがジミという両親を失った少年の父親代わりになって彼を育て、災難から守ろうとするシーンや、つくり出されたバイオ動物が跳梁する世界など、コンピューターと人間の関わりを示唆しているさまが興味深く読める。 |