home

ミステリの祭典

login
デイブレイク

作家 香納諒一
出版日1999年09月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点
(2021/09/15 23:58登録)
自衛隊の空挺団に所属していた佐木が、北海道でのやくざから中央政権の大物まで絡む事件に巻き込まれて、派手に暴れまわることになる話です。彼がパラシュートで降下している夢のシーンから小説は始まりますし、カバーイラストもそのモチーフなので、実際にもパラシュートが使われることになるのかと思っていたら、そうではなかったのは少々残念でした。
佐木が自衛隊をやめなければならなくなった理由は、確かにその後の彼の行動に説得力を持たせているのですが、もう少し密接に結びつくような描き方ができなかったかなとは思えました。彼と敵対することになる悪役のやはり元自衛官である梶についても、彼の思想を形成するに至った過去がじっくり描かれていて、佐木よりも印象に残るキャラクターになっています。ただ梶が過去に囚われてクライマックス部分で出遅れるのはちょっと間抜けな感じがしました。

1レコード表示中です 書評