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ミステリの祭典

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サージウスの死神
文庫版は「佐藤究」名義で刊行

作家 佐藤憲胤
出版日2005年05月
平均点3.00点
書評数1人

No.1 3点 みりん
(2024/08/14 11:00登録)
『テスカトリポカ』で有名な佐藤究の幻のデビュー作にして、群像新人文学賞優秀作を受賞した純文学作品。別名義で登録されていたのに気づかず、重複登録するところだった…笑

等身自殺を目撃したことを機に、主人公が賭博に傾倒していく小説。短いセンテンスで描かれる主人公の思考や行動原理や会話に脈絡がなくて支離滅裂。飢餓感や渇望感が常に漂う狂気の世界。それも「さァ、○ケグルイましょう!」アハ みたいなわかりやすい類のヤツではなく、理解不能な真の狂気(少なくとも私には)。さらに、ギャンブル哲学・カネの本質のようなものが話の難解さに拍車をかける。
薬物中毒者から見た世界とはこのようなものであろうかと陶酔感、酩酊感に浸れるのは間違いないが、一般ミステリ読者にはおすすめしない。でも、分かる人が読めば9点・10点つけてもなんらおかしくはない、そんな不思議な小説。
こんな低評価をつけたにもかかわらず、作者の無限大のポテンシャルに期待し、他有名作をはやく読んでみたいと思わせる、そんな不思議な小説。

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