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ミステリの祭典

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津軽富士殺人事件

作家 高柳芳夫
出版日1986年06月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 nukkam
(2021/09/10 08:03登録)
(ネタバレなしです) 1986年発表の本書は、海外が舞台になる作品の多いこの作者には珍しく日本を舞台にしています。といっても被害者はドイツ人ですけど。序盤の展開がやや変わっており、主人公である推理小説家の朝見がこのドイツ人を殺そうとします。泳げないはずの被害者を首尾よく弘前城の濠に突き落として犯行に成功したつもりでしたが、何と被害者は全然離れた線路で轢殺死体となって発見されます。朝見の殺人動機説明は簡潔過ぎるし、やってもいない犯行容疑のプレッシャーも弱いです。幻の女トリックも計画的だったのか場当たり的だったのか微妙です。とはいえ最終章ではそれなりに論理的な推理が披露され、偶然のきっかけで解決に向かうが既に朝見の頭の中に推理が出来上がっていたという第14章冒頭での説明はなるほどと納得できた本格派推理小説でした。

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