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ミステリの祭典

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腸詰小僧 曽根圭介短編集

作家 曽根圭介
出版日2019年08月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 メルカトル
(2021/08/31 23:08登録)
シリアルキラー“腸詰小僧”の独占インタビューを成功させた西嶋の元を、被害者の父・楢崎が訪ねてきた。楢崎はすでに社会復帰している腸詰小僧に会わせろと迫る。一方、警察官の弟・敏哉が、妻以外の女性を妊娠させてしまったと泣きついてきた。女は子どもを産んで敏哉と一緒になるの一点張りで言うことを聞かない。追い詰められていく西嶋は――。(表題作)胸くそが悪くなるようなロクデナシだらけ。でも不思議と痛快な全7編!!
Amazon内容紹介より。

『留守番』を除いてどれも二つのストーリーが交差することなく進行し、最後に収束するという構成を採っています。どんでん返しあり反転ありと切れ味鋭いナイフの様なエッジを効かせて、驚かせてくれます。しかし後味はすこぶる悪いです。登場人物のほぼ全員が碌でもない人間ばかりで、良い意味で作者特有の嫌らしさを存分に発揮していると思います。

ただ惜しまれるのは乾いた文体のせいか、必要最小限の情報量のためか、それ程の印象深さを感じない事ですね。何年も内容を覚えている自信がありません、私だけかも知れませんが。その代わり、いつか再読してもある程度の新鮮さを味わえると思います。いずれにしても曽根ワールドを堪能できるのは間違いないですね。

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