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ミステリの祭典

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わざわざの鎖
公園探偵

作家 佐野洋
出版日1999年10月
平均点4.00点
書評数1人

No.1 4点 nukkam
(2021/09/03 17:59登録)
(ネタバレなしです) 1999年発表の短編集で、公園探偵の高梨を主人公とする本格派推理小説の短編が9作収められています。「あとがきに代えて」の中で作者は公園条例に興味をもったのがきっかけで本書を書いたと説明しており、公園探偵(公園トラブルを対処する市職員で、正式な肩書は公園管理課の巡回班長)は作者の創作職業です。発端は公園トラブルでもそれが他の犯罪の謎解きにつながるというパターンが多いです。前半の「わざわざの鎖」から「たき火のあと」あたりまでは高梨がそれなりに推理していますが、後半になると情報提供者としては警察に協力しているものの探偵らしい活躍はほとんどしなくなってしまいます。謎解きとして軽い上に物足りない結末の作品が多いので、ちょっとした時間つぶしに読むぐらいの姿勢がよいかと思います(徳間文庫版で300ページに満たない薄さです)。

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