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ミステリの祭典

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わざわざの鎖
公園探偵

作家 佐野洋
出版日1999年10月
平均点4.00点
書評数2人

No.2 4点 虫暮部
(2026/05/19 14:14登録)
 大きな謎よりもフーダニットやハウダニット未満の小さな部分にポイントを絞ったミステリ作法は、アイザック・アシモフ『黒後家蜘蛛の会』に通じる気がする。幾つも殺人事件が発生しているのに妙に淡々とした筆致で、これはきっと御役所的な事勿れ主義を揶揄しているのである。

 犯人達はやけに作為的なトリックを弄したがり、しばしば目的と手段の関係を見失っているよう。
 例えば表題作。どうやら被害者周辺から犯人へ繫がるデータは見付からなかったようだ。つまり、余計なことをしなければ、犯人はそもそも捜査線上に浮かばない(その点に確信は持てないから、結果論ではあるが)。仮に浮かんでも “そんな真夜中にアリバイなんてあるものか” で済む。トリックを弄して目立ったせいで疑われる破目になったのである。「汚された制服」もそれに近い構造。

No.1 4点 nukkam
(2021/09/03 17:59登録)
(ネタバレなしです) 1999年発表の短編集で、公園探偵の高梨を主人公とする本格派推理小説の短編が9作収められています。「あとがきに代えて」の中で作者は公園条例に興味をもったのがきっかけで本書を書いたと説明しており、公園探偵(公園トラブルを対処する市職員で、正式な肩書は公園管理課の巡回班長)は作者の創作職業です。発端は公園トラブルでもそれが他の犯罪の謎解きにつながるというパターンが多いです。前半の「わざわざの鎖」から「たき火のあと」あたりまでは高梨がそれなりに推理していますが、後半になると情報提供者としては警察に協力しているものの探偵らしい活躍はほとんどしなくなってしまいます。謎解きとして軽い上に物足りない結末の作品が多いので、ちょっとした時間つぶしに読むぐらいの姿勢がよいかと思います(徳間文庫版で300ページに満たない薄さです)。

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