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ミステリの祭典

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新米フロント係、探偵になる
アイヴィー・ニコルズシリーズ

作家 オードリー・キーオン
出版日2021年05月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 nukkam
(2021/08/27 23:53登録)
(ネタバレなしです) アメリカの女性作家オードリー・キーオンの2020年発表のデビュー作であるコージー派ミステリーです。作中時代は現代ですが主要舞台はかつて鉄道王だったモロー家の屋敷を改装したホテル1911です(宿泊できる部屋は11室しかありません)。主人公のアイヴィー・ニコルズはモロー家の末裔という設定で、フロント係として働きながら祖先のことを知ろうとしていますが、宿泊客の1人がアレルギー中毒によって死亡したかのような事件が起きます。シェフのジョージの手落ちと疑われると心配したアイヴィーがにわか探偵として立ち上がるプロットです。多くのコージー派では主人公の捜査を助ける人がいるのですが、本書はアイヴィーがほとんど1人で奮闘しています。もちろんとんとん拍子とはいかない上に捜査も推理もかなり強引で、犯人の目星がついているわりには(解決を急ぐ理由があるとはいえ)不注意な行動で危険な目にあったりしています。コージー派としてはユーモアや明るい要素が少ないですが、といって深刻な雰囲気もそれほど強くなく個性に乏しい作風に感じます。

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