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ミステリの祭典

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脅える暗殺者

作家 ジョー・ゴアズ
出版日1997年07月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点
(2021/08/04 19:42登録)
ゴアズはDKAシリーズだけでなく様々な作品を書いていますが、その中でも特に異色作と言っていいでしょう。サンフランシスコ警察組織犯罪捜査班のダンテ・スタグナロ警部補が一応主役であり、〈ラプター〉と名乗る謎の暗殺者の正体を追う話なので、とりあえずジャンルは警察小説としてみました。
しかしこの小説の異色作たるゆえんは、それ以外の点にあります。古人類学者の講演が所々に挿入され、章題もそれに合わせて「白亜紀末期」等地質年代を表す言葉になっているのです。この講演が、宇宙創成から始まり人類誕生まで、旧約聖書と対比しながらかなりのページにわたって語られていきます。そこが本作の哲学的なテーマにもなってくるわけで、力作感はあるものの、ちょっと大げさすぎるようにも感じました。
ところで〈ラプター〉と言えば、本書発表の前年に映画で有名になった恐竜ヴェロキラプトルを連想させます。

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