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ミステリの祭典

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サファリ殺人事件
ヴェイチェル警視シリーズ

作家 エルスペス・ハクスリー
出版日2007年12月
平均点7.00点
書評数2人

No.2 8点 nukkam
(2009/01/26 13:43登録)
(ネタバレなしです) 英国の女性作家エルスペス・ハクスリー(1907-1997)は生まれはロンドンながら子供時代のかなりの部分を(当時はイギリス植民地だった)ケニアで過ごしており、アフリカに関する著作も書いています。ミステリー作品は1930年代にやはりケニアを舞台した3作のヴェイチェル警視シリーズで知られています。本書は1938年発表のシリーズ第2作で、何ともタイトルがお手軽過ぎというのが第一印象でしたが、読んでみるとこれ以外にふさわしいタイトルは考えられないと思えるほどにサファリの雰囲気一杯の本格派推理小説でした(英語原題は「Murder on Safari」です)。獲物の皮を剥いでいたというアリバイ証言なんか普通の本格派ではまずお目にかかれないでしょう。単に異国情緒頼りの作品ではなく、同時代のアガサ・クリスティーに遜色ない出来映えの謎解きもうれしいです。

No.1 6点 mini
(2008/11/24 10:23登録)
新刊が出るたび気になる長崎出版
進化論で有名な生物学者トーマス・ハクスリーや小説家オルダス・ハクスリーなどがいるハクスリー一族の血筋を引く女流作家エルスペス・ハクスリーは、アフリカを舞台にした本格を数冊書いていて、この作品は代表作とも言われるもの
サファリ・ツアーの雰囲気も活写されているし、野生動物の群れの所在位置がアリバイに絡んだり、動物絡みのスリルが盛り込まれるなど、アフリカを舞台にしている特殊性が良く活かされており、たしかになかなか面白く、高い評価も肯ける
アフリカが舞台と言うと、論創社のマシュー・ヘッド「藪に棲む悪魔」があるが、謎解き的にはヘッドよりハクスリーの方が上だろう
ただ人物描写とか文章が醸し出す独特の雰囲気は、私にはヘッドの方が好みには合うが

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