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ミステリの祭典

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消えたメイドと空家の死体
ジェフリーズ夫人シリーズ

作家 エミリー・ブライトウェル
出版日2015年09月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 nukkam
(2021/07/20 07:31登録)
(ネタバレなしです) 1993年発表のジェフリーズ夫人シリーズ第2作の本格派推理小説です。前作の「家政婦は名探偵」(1993年)はジェフリーズ夫人がルティ・ベル・クルックシャンクから相談を持ち掛けられる場面で終わっていますが、本書はそこから始まります。この趣向はシリーズのパターンのようで本書の最後は降霊術の会の話で締め括られ、シリーズ次作の「幽霊はお見通し」(1993年)へとつながる伏線となっています。E・S・ガードナーのペリイ・メイスンシリーズの初期作品と同じですね。さてルティからの相談事は友人となったメイドの失踪です(ルティは大金持ちなのに何で使用人と友人になりたがるんでしょうね)。この事件はジェフリーズ夫人の雇い主であるウィザースプーン警部補が手掛ける殺人事件とも関係がありそうですが、死体は腐乱状態で身元確認が困難だし他にも行方不明の女性がいるためメイドがどうなったのかなかなか確定できないじりじりした展開が続きます。反感を抱きやすい容疑者描写も結構しつこく、ユーモアと軽快さが前作から大きく後退してしまいました。

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