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ミステリの祭典

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そして、海の泡になる

作家 葉真中顕
出版日2020年11月
平均点6.33点
書評数3人

No.3 6点 take5
(2026/03/21 17:11登録)
葉真中顕による昭和平成史をたどる作品。
実際にあったバブル期の巨額詐欺事件が
下敷きなのでほぼノンフィクションです。
主人公の女帝をめぐる顛末を取材で追う
最後この取材の反転でミステリだと思うが
そこよりもむしろ戦後復興からバブル崩壊
そしてコロナ禍まで、人が如何に同じ轍を
踏みまくっているかを考えるのに良いです。

それから女帝の言うわがままに生きる事が
タイトルとリンクしているのが一番ハッと
します。

「私、人間の世界に恋焦がれているの。」
「尾びれを足に、そんなことが可能ですの?」
「恋を成就させねば人でいられないとはどういうことですの?」
「何もかも失って、そして、海の泡になる。それでも、人間になりたいわ。」
「私、人間になって、自由に好き放題、わがままに生きたいわ。」

No.2 7点
(2026/03/05 16:41登録)
終戦からバブル崩壊までをコロナ禍の現代から振り返る、朝比奈ハルの人生をインタビュー形式で物語る。
それだけでも夢中で読んでいましたが、最後に仕掛けもあり見事に騙されました。

No.1 6点 HORNET
(2021/07/10 22:09登録)
 バブル期に株取引で無類の強さを見せ「北浜の魔女」と呼ばれた朝比奈ハル。しかしバブル崩壊後、史上最高額の負債を抱え、ハルは自己破産し、最後には人を殺めて入獄、平成が終わる年にひっそりと獄死した。
 その生涯を小説に書こうと決めた"私"は、生前の姿を知る関係者に聞き取りを始める。戦後、バブル、コロナ……日本社会を鋭く描く、社会派ミステリー。
 バブルに浮かれた平成の時代を舞台としながら、そこに跋扈するキナ臭い人々とその中で生き抜く女性の姿を描いた一作。「Blue」でも感じたが、平成という時代の社会風俗の様相をリアルに描く氏の作風には非常に好感もてる。
 "私"が取材を重ねていくドキュメンタリータッチで展開されながら、ラストにはミステリとしての仕掛けも施されており面白い。

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