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ミステリの祭典

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もののけ本所深川事件帖 オサキ鰻大食い合戦へ
オサキシリーズ

作家 高橋由太
出版日2010年10月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 メルカトル
(2021/07/07 22:54登録)
江戸・本所深川で、献上品の売買を行う、献残屋の手代・周吉。彼は妖狐に憑かれたオサキモチ。もののけがとり憑いた献上品をせっせと磨いていると懐から“オサキ”が顔を出し、町を騒がせている放火魔の噂話を始めた。ある晩、預かり物の高級掛け軸が燃やされて、店は倒産の危機に。周吉とオサキは百両の賞金を目当てに“鰻の大食い合戦”への出場を決意するが…。妖怪時代劇第二弾、開幕。
『BOOK』データベースより。

オサキって狐の妖怪だったのね。てっきり江戸の可愛い町娘か何かだと思っていたので、ちょっとがっかりしました。やはりシリーズ物の第一話は先に読まなければダメですね。本作は第二弾です、読み進めるのに不都合はありませんが、オサキと周吉の出会いとか色々気になって、早く一作目を読まねばと今にして思います。
さてこの作品、ストーリーは至ってシンプルですが、なかなかよく練られているとの印象です。特に賞金の百両を目当てに、各挑戦者が如何なる理由で大食い合戦に挑んでいくのかという経緯が克明に描写されて、又その陰では放火騒ぎが起きており、それらがどう収束していくのかを面白く読ませます。

本戦で大本命の謎の人物が逸早く脱落してしまうのはやや興醒めでした。その理由としては江戸時代ならではのものですが、それにしてもそんな事で?と思ってしまいました。しかし本命が不在となり、合戦は嫌が上でも盛り上がり、大接戦となり白熱します。戦いが終わってもう一山ありますが、何となく蛇足のように感じてしまい、そこは残念でした。

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