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ミステリの祭典

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アフロディーテ

作家 山田正紀
出版日1987年02月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 虫暮部
(2021/07/01 14:26登録)
 あらら、いつの間にか現実が作中の年を追い越していた。
 架空の都市が舞台と言う点でSF。でも実は海上都市アフロディーテ(いまひとつイメージが摑めなかった)と移住者である主人公の位置付けは、同じ作者の魔境冒険ものを未来の場に平行移動しただけでは。
 アクション度はさほど高くなく、前半は青春小説。後半は“取り返しの付かないものへの諦念”を描いたソフトなハードボイルド? 地味な話だとの前提で読んだ方が楽しめるので、版元は誇大広告を控えるべきだ。今でこそ“キッドの正体”は判り易いけど、発表当時このアイデアはどんな感じだったんだろう。

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