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ミステリの祭典

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救いの森

作家 小林由香
出版日2019年02月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点 HORNET
(2021/06/20 20:10登録)
 児童保護救済法が成立し、義務教育期間のすべての子どもに「ライフバンド」の着用が義務づけられた。危険を感じた子どもが起動させればすぐに駆け付け、その保護と対処をするのが「児童救命士」。新米児童救命士の長谷川は、直属の上司・新堂に不満を感じながらも、「子どもを救いたい」という使命感に燃え、緊張と不安の中業務にあたる日々。するとある日、わざとライフバンドの警告音を鳴らす少年と出会う……。
 児童虐待やいじめといった今日的なテーマを題材とし、子供の言動に謎をはらませて展開される各編は読み手を惹きつける。謎解きだけでなく、長谷川が一見やる気のなさそうな上司・新堂の真意を知り、次第に強い絆を作っていく過程や、長谷川を取り巻く職場の面々の姿も小気味よく、非常に読後感が良い。
 面白かった。

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