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ミステリの祭典

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抱き人形殺人事件
草深真子シリーズ

作家 井口泰子
出版日不明
平均点4.00点
書評数1人

No.1 4点 nukkam
(2021/06/14 11:11登録)
(ネタバレなしです) 1981年発表のラジオ番組キャスター・草深真子シリーズ第1作で、「キャスタードライバー事件簿」というサブタイトルがついています。真子の1人称形式で語られますが、取材を約束した老婦人の死体と腹を裂かれた抱き人形を発見する羽目になり、その直前に被害者の家から出てきた男と少年を目撃したことから事件捜査に乗り出すことになります。キャスター仲間や真子の妹や弟、弟のガールフレンドらも協力し、刑事との情報共有もばっちりととんとん拍子の展開で進みます。現場から失踪した2人の追跡にページの大半を費やしており、殺人犯の正体と人形を殺した理由については最終章で完全な後出しで説明されるだけなので本格派推理小説として評価しようとすると大幅減点です(なので個人的にはスリラー小説に分類しました)。この作者がこういう肩の力を抜いたユーモア豊かな作品を書いていたとは知りませんでしたが、それにしても抜きすぎな気がします。

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