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ミステリの祭典

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少女コレクション序説
澁澤龍彦

作家 評論・エッセイ
出版日1985年03月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 メルカトル
(2021/06/03 23:15登録)
古今東西、多くの人々が「少女」に抱いた「情熱」に、さまざまな角度からメスを入れた思索の軌跡。
『BOOK』データベースより。

タイトルのように少女のエロに対する考察に特化した内容と異なり、膨大な文献に基づいて語られるエロティシズムの数々。そう、エロではなくエロティシズムです。冒頭の『少女コレクション序章』では渋澤龍彦自身が、少女を剥製にして硝子のケースで永久保存するのが夢だと断言します。その事からして既に尋常なエッセーではないことは明白です。
人形愛の形而上学、これでもかと出てくる色々なコンプレックスの名称の数々、幼時体験、セーラー服、鏡について、マンドラゴラ(植物から産まれる生き物)などなどについて、熱く語られます。

中でも面白かったのが近親相姦について。作者は子供を作らない、何故なら娘が生まれたら必ず自分はその娘の成長と共に関係を持ってしまうからだと言う。そして息子が生まれたら妻と関係を持つかもしれないと。
又、木々高太郎の『わが女学生時代の罪』で女性主人公がレズビアンの関係を持っていた時、処女なのに妊娠したという謎についての解釈が大変面白かった。私など、なるほどそんな事もあり得るのかも知れないと本気で思わされるのでありました。他にもポーや江戸川乱歩の名前も何度となく出てきて、やはりエロティシズムと幻想小説との相性は良いのだと、腑に落ちるものがありました。

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