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ミステリの祭典

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クロウ・ブレイン

作家 東一眞
出版日2021年03月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 虫暮部
(2021/05/21 14:52登録)
 確かに第一章末尾、“カラスの脅迫”シーンでは背筋がゾクッとした。それは単に鬼面を見せて驚かせたのではなく、幾つかのエピソードを重ねて編み上げた中身のある怖さだ。しかし物語としてはここが(早過ぎる)頂点だったかなぁ。
 主人公は馬鹿として上手く描けている。そしてそれ故に、共感するのは難しい。行動原理がマスコミの特権意識に基づいている感じもマイナス。作者も業界の人で、ならば“記者がやってはいけないこと”は判っている筈で、つまり狙って書いたのだろうか。匙加減を多少間違えている気がする。

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