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ミステリの祭典

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高台の家

作家 松本清張
出版日1977年06月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 斎藤警部
(2021/05/19 07:34登録)
高台の家    
急に来るんだもんなあ、心臓に悪いよ、ほんと最高よ。 一見さりげない締めがまた強力! 
ロシア語によるアジア史専門書の古本を辿って。。という導入部が独特です。古本から或る富豪の「高台の家」と繋がりが出来た主人公は、本の元持ち主が数年前に事故死しており、その若い未亡人は元持ち主の両親と豪邸に暮らし続けており、美貌の未亡人のもとには文化サロンの様に青年たちが集まって来ている事を発見。或る日、主人公は青年の一人に呼び止められ、予想外の質問を受ける。。 振り返って見れば、欺瞞のマトリョーシカのような構造が魅力的な短い中篇。

獄衣のない女囚
薄暗い導入部から、徐々に妙~に艶笑ユーモラスな筆致へズルズル、、と緩んでいた所へ一撃!
若さ溢れる男子部と草臥れかけた女子部とに分かれた「独身者アパート」。或る日女子部の風呂場で居住者ではない女の絞殺死体が発見される。被疑者の意外な私生活が憶測される中、その後も意外な死者が続出し。。 振り返れば、殺意のマトリョーシカだ。。。 犯人最後の名台詞は鮮烈! シリアスとコミカルのちょっと不器用な?混濁も魅力の長い中篇。

文春文庫のカップリング。

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