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ミステリの祭典

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七年目の殺し

作家 ミッキー・スピレイン
出版日1980年02月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点
(2021/05/18 19:18登録)
『カストロ・スパイ』と表題作の2編の中編を収録しています。2作ともダブル・クライマックスを用意した作品なのですが、どちらもかえって最後があわただしくなりすぎるという欠点を持っています。『カストロ・スパイ』は邦題からもわかるとおりのキューバ情勢を取り入れたスパイ・アクションで、原書ではこちらの原題 “The Flier” が本のタイトルになっています。しかしこれがごちゃごちゃしすぎて、スピレインにしてはおもしろさがストレートに伝わって来ないのです。まあ、リアルな国際状況を的確に描くことのできる作家でないせいもあるでしょうが。
邦題の表題作の方が、これもやはりかなりごちゃごちゃしているとは言え、おもしろくできています。7年間冤罪で刑務所に入っていた元新聞記者が、何度もボコボコにされながら、最後は目的を達することになる話ですが、ただラスト・シーンで明らかになるある人物設定はどうもねえ。

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