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ミステリの祭典

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幸運は死者に味方する
ペンテコスト&パーカー

作家 スティーヴン・スポッツウッド
出版日2021年03月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 nukkam
(2021/05/14 07:03登録)
(ネタバレなしです) ジャーナリストで劇作家である米国のスティーヴン・スポッツウッドの小説第1号が2020年発表のペンテコスト&パーカーシリーズの第1作である本書で、ハードボイルドと本格派推理小説のジャンルミックス型のミステリーです。作中時代は1945年、高額な依頼料を受け取り警察も一目置く探偵のミズ・ペンテコストとその助手で語り手のウィル・パーカーというコンビはどこかレックス・スタウトのネロ・ウルフとアーチー・グッドウィンを連想させます(本書のは女性探偵コンビですけど)。燃える密室内の死体という、クリスチアナ・ブランドの名作短編「ジェミニー・クリケット事件」(1968年)を彷彿させる事件の謎はとても魅力的ですが不可能犯罪の謎解きの醍醐味はほとんどないし、トリックも読者をがっかりさせるものです。推理説明も論理的でなく、誰が犯人でも代わり映えしないように思えました。探偵の成長物語としては面白い作品ですが謎解きとして弱いのが残念です。

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