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ミステリの祭典

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刑事何森 孤高の相貌

作家 丸山正樹
出版日2020年09月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 ぷちレコード
(2021/05/11 23:34登録)
デフ・ヴォイス・シリーズに出てくるキャラクター、何森刑事を主役にしたスピン・オフ。
車いす利用者の女性宅で起きた「二階の死体」、刑事の言いなりになる、供述弱者の自白を追求する「灰色でなく」、記憶を失ったまま服役していた強盗犯と対峙する「ロスト」の三作からなる。そのうち後の二作はシリーズのヒーロー、手話通訳士荒井尚人の妻である刑事の荒井みゆきが何森の相棒となる。
なかでも「ロスト」は二転三転の展開で読ませる。記憶障害は演技なのかそうでないのかを見極める話だが、荒井の家族の物語と何森自身の悲痛な過去を絡めて、ラストの手話のやり取りで一気に盛り上げる。美しい情感が行間にこめられている。

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