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ミステリの祭典

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最後の賭
スカット・ジョーダン弁護士

作家 ハロルド・Q・マスル
出版日1962年01月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 nukkam
(2021/05/08 04:13登録)
(ネタバレなしです) スカット・ジョーダンの行動は弁護士というよりも私立探偵を印象づけることが多いのですが、1958年発表のシリーズ第7作である本書の前半ではいかにも弁護士らしい活躍を見せています。依頼を受けた事件はバーで殴られた男が意識不明の重傷を負うというもので加害者も明快にわかっています。ジョーダンの役割は加害者を保釈させるというのですからこれは確かに弁護士ならではの仕事ですけどミステリーのネタとしては面白くありません(テンポのいい文章のおかげで退屈はしませんが)。ところが中盤になって様相は一変し、ジョーダンは私立探偵向きの依頼まで引き受けることになります。この後半では行動範囲が広がり登場人物も増えますが、ジョーダンは解決へのアイデアも思い浮かばぬまま終盤を迎えます。しかしこの終盤で劇的な展開があり、そこからジョーダンが怒涛の推理で大胆なトリックを見破り犯人を一気に追い詰める場面はまさに謎解きのクライマックスです。リーガル・サスペンス、ハードボイルド、本格派推理小説を上手にブレンドしており、シリーズ代表作と言ってもよいのでは。

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