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ミステリの祭典

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デルタ・スター刑事

作家 ジョゼフ・ウォンボー
出版日1985年06月
平均点7.00点
書評数1人

No.1 7点
(2022/07/15 23:18登録)
登場する警察官たちの様々な日常業務描写がおもしろい作家ですが、今回は仕事よりもむしろ、彼等が集う飲み屋でのシーンが多く、そこでの彼等の会話や酔っ払いぶりに重点が置かれています。ビールを飲んでビリヤード台の上で寝てしまう警察犬も登場するという状態で、その意味では、これまで読んだウォンボーの中では最もミステリ要素が低いと言えます。しかし中心となる事件の背景は、最もスケールが大きいというか、嘘っぽいとも言えるものです。最初は、ただ娼婦がビルの屋上から突き落とされた平凡な殺人事件に思えたのですが…
メインの事件が、登場する警察官たちの日常からかけ離れている点には、違和感もあったのですが、事件を解決してみせるという使命感もたいしてないままに、それでも手がかりがあるので捜査を続けるビラロボス刑事にはリアリティがあります。事件解決に協力するメンドーサ教授も魅力的でした。

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