home

ミステリの祭典

login
暗夜に過去がよみがえる

作家 メアリ・H・クラーク
出版日1989年01月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点
(2021/04/27 20:46登録)
ニュースキャスターの幼いころ両親が死んだ事件の真相究明と、現在における女性上院議員の取材番組にまつわる脅迫、殺人とを絡めたサスペンス小説で、クラークらしくはらはらさせてはくれても非常に安定感のある筆致で話は進んでいきます。最後はすべて収まるところに収まり、特に意外性に富んでいるわけではありませんが、納得のいく結末。ただ、最初の脅迫電話で、「あの家に住んではならない」と言っている点については、論理的疑問があります。
脅迫者の正体が最後には明らかになるという構成かと思っていたら、意外にも1/3ちょっとぐらいのところで早々と脅迫犯の視点から書かれた部分が出てきます。それでもなぜこの人物が脅迫をするのかは、もっと後にならないとわかりません。
原題 "Stillwatch"(人知れぬ監視)という言葉はキャスターの隣人が言うのですが、そのわりにクライマックスでのこの人の活躍が不十分です。

1レコード表示中です 書評