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ミステリの祭典

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子供たちの夜

作家 トマス・チャステイン
出版日1983年09月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点
(2023/01/22 18:21登録)
カウフマン警視シリーズやその番外編を書いてきた作家ですが、1982年に発表された本作は、失踪した9歳の女の子の事件を、その母親リリアの視点から描いたサスペンス作品です。レドリン警部補を始めとして警察官も何人か登場しますが、だいたい皆ものわかりのよい人ばかりで、そのあたりが警察小説を得意としたチャステインらしいところかなと思えます。ただ、児童失踪事件の捜査に、ニューヨークの警察がそんなに手間をかけるかなという気はします。
原題 "Nightscape"(夜景)からも窺えるように、ニューヨーク、特にセントラル・パークとその周辺の夜が、リリアを通してじっくり描かれているのが見どころと言えるでしょう。
ただ、テーマ的には某SF作家の中編と共通すると考えられますが、本作はこういう書き方がふさわしいかどうか疑問です。特に「彼女」の最後のセリフは、テーマを安っぽくしているだけではないかと思えました。

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