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ミステリの祭典

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怪談首なし御殿
拝み屋備忘録

作家 郷内心瞳
出版日2019年06月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 メルカトル
(2021/04/06 22:43登録)
拝み屋を生業にする郷内心瞳が書き下ろした、大人気シリーズ拝み屋備忘録の第2弾! 日夜現れる異形の医者に身体をボロボロにされていく恐怖と絶望を綴った三部作「診察」「往診」「再来」、迷い込んだ神社で遭遇した、記憶に留めたくないほど恐ろしいおんな「忘れ去りたい」、依頼を受けて著者が訪れた怪しい気配が蠢く戦慄の館。そこに隠された因果とは…「首なし御殿」など、著者自らの体験を含めた数多の怪奇譚を収録!
Amazon内容紹介より。

ほとんどが掌編でさしたるオチもなく、読み応えがありません。文章にリアリティがない為、あまり怖さが感じられないですが、実際にあった出来事だったら怖いなとは思います。作者は現役の拝み屋ですので、あながち創作だとは言い切れません、世の中には我々の知らない恐ろしい怪談がごろごろ転がっているのかと考えると、そういった例えば金縛りとかすら体験したことのない平和な人生を送れていることに感謝しなければいけないのでしょうね。

最後の『首なし御殿』だけは作者自身が拝み屋として登場して、怪現象の始末をおこないます。やはりそうした展開でなければ面白くありません。経緯や因果関係ありきで怪談だと思いますので、この人にはもっとと中身の濃い中編を期待したいですね。『花嫁の家』収録の『母様の家』のような傑作を。

本作に関して一つ苦情を呈するとすれば、誤字誤植が多すぎる点ですね。そして、単語の意味合いを間違って使用していると思われる箇所もありました。更に言えば拝み屋郷内が出てくる物語で、氏の底意地の悪さが透けて見えてしまう記述があるのも気になりました。

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