二人と二人の愛の物語 |
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作家 | 笹沢左保 |
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出版日 | 1966年01月 |
平均点 | 6.00点 |
書評数 | 1人 |
No.1 | 6点 | 人並由真 | |
(2021/04/02 05:52登録) (ネタバレなし) その年の8月20日。都内の町田で火災が発生して、現場からホテル「ニュー東洋」の運転手である41歳の岸田昌平の死体が見つかる。当初は単純な火災事故死かと思われたが、やがて岸田は多方面に手を伸ばす悪質な恐喝者と判明。恐喝の被害を受けていた者に殺された可能性が取りざたされる。そしてこの恐喝者の死は、直接は接点のなかった二組の愛し合う男女の運命に大きく関わっていった。 徳間文庫版で読了。 あんまり多くは言えない作品だが、とにかく読んでるうちはやめられず、深夜にページを開いて朝方までに読了してしまった。 ストーリーテリングというかオハナシ作りの妙だけいったら、作者の無数の著作のなかでも上位にいくかもしれない。 (それは登場人物を、良い意味で駒として扱う作者の筆さばきも含めて。) それだけにラストは唖然呆然とした。 これはアリか? とも思うが、作者は120%自覚した上でのクロージングであろう。 ロマンスサスペンスとしては一等作品。謎解きミステリとしては……。 まあ、読んで良かったとは思う。 |