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ミステリの祭典

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春喪祭

作家 赤江瀑
出版日1985年02月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 クリスティ再読
(2021/03/26 07:44登録)
赤江瀑でもアンソロではない短編集で表題作の他「夜の藤十郎」「宦官の首飾り」「文久三年五月の手紙」「百幻船」「七夜の火」を収録。
...で、思うんだが、意外に赤江瀑って打率が悪い。十年ほど前に約半分の作品を読んで打ち止めにして、コンプを狙わなかったのは、アンソロを読んで「面白い!」とはなっても、アンソロ未収録で本来の短編集でしか読めない作品だと、イマイチ作が多い、というのが分かったからだった。確かに赤江瀑、ジャンルからはみ出た作家だし、話のオチをきっちり決めてみせるタイプの作家でもないし...で、作品の表面的な辻褄が合ってないんだけど、実は深いところでの辻褄が合っていて、それで「凄い!」となるのが、この人の勝ちパターンだ。としてみると、この「深いところでの辻褄」がうまく起動しない作品もあるわけで、そういう場合には、ホントに表面的な「ヘンテコさ」が目立つことになって、読んでも「何がどうした??」となることもある。いやだから、この「深いところでの辻褄」を、とりあえずの「妖美」とか「怪異」とかそういった貧弱な語彙でしか語れないあたりに、評者自身も情けない想いをするんだが....
でこの短編集だとお得意の歌舞伎ネタの「夜の藤十郎」が和風ドッペルゲンガーみたいな話で面白い。あと光文社アンソロ収録の「七夜の火」と、プレ「海贄考」な「百幻船」がまあまあ。あとはつまらない。

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