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ミステリの祭典

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フェノメノ参 収縮ファフロツキーズ
フェノメノシリーズ

作家 一肇
出版日2013年04月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 メルカトル
(2021/03/20 22:50登録)
かつて皇鳴学園中に「読めば死ぬ」忌み語をまき散らし、学園から“消失”した“彼岸”と対峙する少女、篁亜矢名。彼女の存在に魅入られた五年前の日々を回想するオカルトサイト管理人・クリシュナさんが語る亜矢名の言葉―人は、悪意の塊さ―に、美鶴木夜石の闇色の目は妖しく輝く。それが、夜石の“失踪”事件の始まりだった―!一肇×安倍吉俊のタッグが描き出す、極上の青春怪談小説、「ファフロツキーズ」編、ついに完結。
『BOOK』データベースより。

前作は現実に即した物語の側面が強かったのに対し、本作は遂に異次元に突入し彼岸へと足を踏み入れてしまいます。それだけにやや難解で一度では完全に理解し切れないしこりのようなものが残りました。しかし、前作で残された謎が一気に収束に向かうので、新たな地平が切り開けられ、読んでいて色々腑に落ちる所が生まれます。

今回は完全な長編で、クリシュナが恐れ夜石すら失踪に追い込まれる、図書館に読めば死ぬ忌み語を残し消えた篁亜矢名との対決が中心に描かれています。オカルトに惹かれ、焦がれ、生きる場所をさぐる者達がどう彼岸にある存在と闘うのかが読みどころとなっています。
また、謎の一つであった怪雨の秘密も解き明かされますが、ちょっと呆気なさ過ぎなきらいは否めませんね。しかし、それだけに留まらず神話の世界にまで飛翔し、スケールの大きさ、複雑さは前作の比ではありません。

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