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ミステリの祭典

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インキュバス

作家 レイ・ラッセル
出版日1987年05月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 メルカトル
(2023/10/01 22:21登録)
1987年のアメリカ作品。
Amazon他各所で好評のようですが、それ程でもないと思いました。一応ホラーです、しかし怖くはありません。むしろエロ要素が散りばめられているサスペンスと云ったほうが正しいかも知れません。その中にミステリ要素も幾分含んだ感じでしょうか。
物語としては次々と小さな村の女たちが強姦されて、殺されると云うもので、総勢十人の被害者が出ます。ミステリ的にはフーダニット一本槍で突き進むのですが、犯人が判りやす過ぎてびっくりでした。頼むから予想を裏切ってくれと思いながら読みましたが、完全に読み通りでしたね。こんな私でも犯人を指摘出来たのだから、ほとんどの読者が同じように犯人に辿り着いたと思うのですが、実際そうではなかったようです。最後の最後までそこは謎のまま進行しますが、この結末で驚けた人は幸せでしょう。意外な犯人・・・。だったとはとても思えませんけどねえ。

そんながっかりの真相に落ち込んだ訳ですが、作品そのものの出来としては決して悪くはないと思います。適度なエロとテンポ良く殺される被害者達、一体何者が犯行を行っているのか、果たして人間の仕業なのかと云った謎に引っ張られて読み進める事は出来ます。しかし何度も言いますが、犯人が判ってしまっては興味は半減どころか、一気に失せてしまう可能性がある作品である事は覚悟しなければなりません。

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