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ミステリの祭典

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名探偵ぶたぶた
ぶたぶたシリーズ

作家 矢崎存美
出版日2021年01月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 メルカトル
(2021/02/17 22:48登録)
日常の中の、小さな謎。心に引っかかった、昔の記憶。
失くしてしまったものの行方。胸に秘めた、誰にも言えない秘密。
そんな謎や秘密を抱えた五人が出会うのは、なんとも「謎すぎる」ぶたのぬいぐるみ、山崎ぶたぶた。
小さくてピンク色で、かわいいけど、実は名探偵って、本当⁉――本当なのだ。
悩みを解決するヒントをくれるんだって。
心温まる謎解き、5編を収録。

お母さんの電話の謎
ホテル、記憶の謎
いなくなった友人の謎
ぬいぐるみが消えた謎
心にかけた鍵の謎
――ぶたぶただから解ける、5つの謎のお話です。
Amazon内容紹介より。

第一話を読み終えた時おっと思いました。それなりに期待できそうです。しかし、後続の短編の謎があまりにささやかで読み応えがありません。ある時はカフェのマスター、ある時はホテルマン、ある時は海の家の店主といった具合に様々なシチュエーションで登場する、バレーボール大の喋って動けるぶたのぬいぐるみ山崎ぶたぶた。おじさんの声で優しく迷える人々を解決の方向に導いて行きます。
第三話で新型コロナウイルス感染予防という文言が出てきた時、ハッとしました。そうか、もうそういう時代に入っているんだと実感しましたね。

まあミステリとしては大いに物足りませんが、作者はどうしてもミステリを書きたかったとの事で、作家仲間に訊いたらそのまま日常の謎として今まで通り書けばよいのではとのアドバイスを受け、一念発起したようです。尚、ぶたぶたシリーズは最新作の本作『名探偵ぶたぶた』を含めて32作と、長年ハートウォーミングな作風で愛されている模様。

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