home

ミステリの祭典

login
蟲と眼球とダメージヘア
蟲と眼球シリーズ

作家 日日日
出版日2007年05月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 メルカトル
(2021/02/16 22:28登録)
不思議な林檎の力を持つ孤独な少女・眼球抉子、通称グリコが生きる世界は、全知全能の「神」の力で、平穏を取り戻したはずだった―。グリコは林檎の力を失い、ごく普通の少女として過ごしていたが、ある日、この世界にいないはずの宇佐川鈴音と再会する。なぜまたこの世界に戻ってきたのか、彼女にもわからないという。しかし、鈴音との再会と前後して、町では「人食い鬼」と呼ばれる不審な人物が事件を起こし始めた。「ダメージヘア」と名乗る彼女は新しい敵なのか!?せつなくも深い絆で結ばれた鈴音とグリコ、そして賢木は、再び一緒に事件解決に乗り出す。殺原姉妹やブレイクサンたちも活躍(?)の特別番外編、期待に応えて登場。
『BOOK』データベースより。

私の中では前作『白雪姫』で物語は完結していましたので、本作は言わば蛇足、付け足しみたいなものとしか感じられません。一つ意味があるとすれば、それは今まで名前だけで登場していなかった欠片の一人神蟲天皇が出てくることでしょうね。それがダメージヘアです。今回の敵は主に彼女一人で、これまでの様にバトル中心でありません。

終わった後の話ですから、何だか抜け殻のようにも思えて、個人的にはあまり感心しませんでした。読んでいる途中でおそらく編集者にお願いされて番外編的に描いたのだろうと想像しましたが、あとがきではっきりとその事が書かれていていました。Amazonの評価などを見る限り歓迎されており、余程のファンなのだろうなと思いながら苦笑せざるを得ませんでしたね。私としては殺原姉妹やブレイクサンの活躍よりも、刑事嘆木狂清とその恋人のエピソードの方が印象に残りました。この憂鬱刑事は私のお気に入りですので。

1レコード表示中です 書評