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ミステリの祭典

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バベル‐17

作家 サミュエル・R・ディレイニー
出版日1977年07月
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 虫暮部
(2021/01/29 13:22登録)
 言語学SFと言って他に思い付くのは『言語都市』(チャイナ・ミエヴィル)、『あなたの人生の物語』(テッド・チャン)、『文字渦』(円城塔)等々。いずれも、架空の言語(及びそれに伴う架空の概念)を既成の言語で説明する面白さがそのまま読者にとっての困難さにつながっている。
 ただ本作の場合、“バベル‐17”なる要素は物語の軸ではなく、ちりばめられたキッチュなガジェットのワン・オヴ・ゼムに過ぎないと思う。それがタイトルに掲げられているせいで、思い返せば私は物語全体のバランスを見誤った。言語学ネタにこだわらず活劇をもっと楽しめば良かったのかもしれない。

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