home

ミステリの祭典

login
蟲と眼球と愛の歌
蟲と眼球シリーズ

作家 日日日
出版日2006年08月
平均点6.00点
書評数1人

No.1 6点 メルカトル
(2021/01/23 22:53登録)
エデンの林檎の不思議な力で人知を越えた存在となった少女・眼球抉子―通称グリコ。不死身の彼女は、千余年の時の中で初めて、「大切な存在」宇佐川鈴音と出会ったが、林檎を狙う者たちとの戦いのなか、鈴音は意志のない生ける屍・肉人形となってしまった。鈴音の恋人・賢木愚龍は彼女につきそい、献身的に世話をするが、それだけでは鈴音は救えない。グリコは、「仲間」になった殺菌消毒・美名、不快逆流・蜜姫とともに、鈴音をもとに戻せる人物―『一人部屋』を探しはじめた。一方『一人部屋』は、自分を助け出したとある人物と、奇妙な同居生活を送っていた。“幸せ”を取り戻すための戦いは佳境へ。新感覚ファンタジー。第四弾。
『BOOK』データベースより。

最早タイトルの蟲はほとんど関係なくなっています。序盤は前作から名前だけ出ていた通称一人部屋と初登場の破局の二人で進行していくため、物語にあまり馴染めませんでした。第一作目で主人公と思われていた宇佐川鈴音と賢木愚龍の出番は少なく、やはり当初のラノベ感が失われてしまっています。そして、読み所はグリコを始め林檎を体内に持った異能者同士のバトルという事になります。これは言ってしまえば『ワンピース』の能力者たちの命懸けの戦いに似ています。そこまで派手ではないかも知れませんが、腕がちぎれようが内臓が抉られようが、死なない者たちならではの死闘となっています。

本シリーズも次回で最後となります。本作の興奮が冷めぬうちに次作も続けて読みたいと思います。又、その次に番外編的な『ダメージヘア』もありますので、そちらも順次読んでいきます。
はてさてどんなラストが待ち受けているのやら。シリーズを通して一定の水準をクリアしていると思いますので、一応期待はしています。

1レコード表示中です 書評