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ミステリの祭典

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暗闇のスキャナー
別題『スキャナー・ダークリー』

作家 フィリップ・K・ディック
出版日1980年07月
平均点8.00点
書評数1人

No.1 8点 虫暮部
(2026/06/23 16:06登録)
 近未来が舞台だし、時々奇妙な機械が登場するも、全体としてSF臭は薄く、寧ろ麻取系サスペンスと言える。
 監視中と言う状況故にヤク中達の与太話も微妙な緊張感を生み、“ディックだからなぁ” と諦念の入り込む余地が無い。ここまで一貫したテンション、実は彼の長編では稀少じゃないだろうか。手慣れた “認識の不安定化” テーマは此処に来て洗練を極め、しかし冷静に俯瞰するとギャグにもなる。そこが良い。
 最後の最後、陰謀論的な大ネタのオチはちょっと大味に感じられた。現実をそこで安定させちゃうか……しかしこれも俯瞰するとギャグで、マッチポンプな世界に対する批評なのかも知れない。

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