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ミステリの祭典

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死亡通知書 暗黒者
羅飛シリーズ

作家 周浩暉
出版日2020年08月
平均点7.00点
書評数2人

No.2 7点 麝香福郎
(2022/05/23 18:51登録)
復讐の女神(エウメニデス)の名による死亡通知書と、その予告によって起こる連続殺人。省都警察に集まった専従班の面々を嘲笑うかのように殺されていく被害者たちには、過去に罪を犯すも裁かれていない共通点があった。龍州市の刑事・羅飛はエウメニデスが十八年前に起こした事件と個人的な因縁があったために専従班に参加するが。
犯人側が全知全能の超人過ぎて、結局どうやってそんなことを知ったんだとツッコミたくなる部分は多いが、それが気にならないほどに展開の目まぐるしさと事件の外連味に振り回される。
予告殺人という派手さから大味な作品かと思いきや、十八年前の事件の謎が現在の事件に通じている様など伏線も実に丁寧。


No.1 7点 HORNET
(2021/08/30 20:30登録)
 2002年、省都A市でベテラン刑事が殺された。刑事が追っていたのは18年前に起きた爆破殺人事件で、それは〈エウメニデス〉と名乗る人物による予告殺人だった。強引に捜査に割り込んできた刑事・羅飛(ルオ・フェイ)は、その爆破事件で恋人を殺された当事者だった。羅飛と事件の専従班とともに、さらなる犯行を食い止めるべく奔走するが――中国で圧倒的な人気を誇り、世界で激賞された華文ミステリ最高峰のシリーズ第一弾。
 
 
 〈エウメニデス〉の正体を追うのが当然物語の本筋で、その本筋に対する解答も(途中から予想はできたが)面白いながら、そこに辿り着く「2分間のズレ」の推理が秀逸だった。羅飛(ルオ・フェイ)を含めた登場人物の「イッちゃってる」感じも上手く使いながら、何度も読者の想定を覆すやり口はジェフリー・ディーヴァー的なストーリーテーリングの妙を感じるところもあった。
 唯一、中国作品に読み慣れていないので、登場人物の読み方がなかなか頭に入らず…続きを読み始める度に巻頭の登場人物表を見返していた(笑)

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