home

ミステリの祭典

login
冷血の血
キャロラス・ディーン ROM叢書

作家 レオ・ブルース
出版日不明
平均点5.00点
書評数1人

No.1 5点 nukkam
(2020/12/25 22:28登録)
(ネタバレなしです) 1956年発表のキャロラス・ディーンシリーズ第2作の本格派推理小説で、舞台となる港町の雰囲気がよく描けています。ただ主要舞台である桟橋が劇場など複数の建物が乗っかっているリゾート桟橋で、英国人読者ならイメージが容易に沸くのでしょうけど日本人読者としては見取り図がほしかったですね。ROM叢書版の表紙イラストには助けられました。事件は警察が早々と事故と判断してしまい、死んだ場所も死んだ時間も曖昧のためキャロラスの捜査も手探り感が強いです。読みにくい作品ではありませんが、最初に読むべきシリーズ作品としては殺人であることが最初から明らかな他の作品を勧めます。ミスリーディングが巧妙なところはこの作者らしいのですが詰めが甘いのもこの作者らしく、ROM叢書版の巻末解説で動機とトリックに関する問題点が適切に指摘されています。

1レコード表示中です 書評